良薬口に苦しとは言うけれど、その影には親の想いが…
良薬口に苦しとはいうけれど、そのことわざに両親の想いが含まれているのは、皆さん知っての通り。しかし、このことわざの想いは、さらに派生を続けて薬のことだけに限らないことがわかってきます。そこで今回は……
「薬も苦いけれど、生活でも苦いものはある。」
そんな話。
もともとは、両親の想いが‘ことわざ’として伝わったもの。
最近になってからというもの、子供でも飲めるような苦くはない薬も登場してきました。同じ薬効成分を使い、苦いと感じる味覚を極力なくした薬ができたことで、子供たちでも容易に飲めるようになりました。
それまでは、苦虫をつぶしたような表情をしながら飲んだものです。または、オブラートと呼ばれる、胃酸で溶ける飴状のシートにくるんでから飲むということをしていました。今では、オブラートではなく、飲みやすいゼリーも登場してきています。
日々、日進月歩で新しく飲みやすくするためのものが、どんどん生まれてきています。そのため、この言葉‘良薬口に苦し’という言葉も、過去のことわざになりつつあります。
その言葉に込められた思いは、いつしか違う言葉に置き換わり、使われなくなってきています。ただ、この言葉は、別の意味にも応用が可能となってきています。それは、体を治癒させるために使われる‘薬’というよりも、人同士の付き合いを改善するための‘薬’としての意味合いが、私の中で感じ取れています。
誰しもが通過する‘新入社員’。この時が、一番。処方されているような状況。
今年はいろいろな状況が複雑に絡み合い、いろいろとややこしいことになっています。後半から入社した人であれば、今このことを感じている人がいるかもしれません。
右も左もわからない人は、どうしても失敗を重ねてしまうものです。そうして、失敗を重ねてしまうと、仕事そのものが嫌になってしまいます。当事者はこう考えるようになってしまいます。
‘こんなつらい仕事…やってられるか’
と、こう考えるようになります。そう考えるようになると、一気に仕事が嫌になり離職の道を選ぶことになります。
人には得手不得手が存在し、どうしても上達できない場合があり、職業選択の面からしても、離職の道を選ぶのもの納得できます。しかし、その選択をする前に、このことを考えてください。
‘もっと効率的な考え方はないんだろうか’
そう考えていくことで、自分には足りないものが見えてきます。自分に対して何が足りていないのかを見つけれるようになってくると、自然と仕事もうまくいくようになるのです。
また、その自分に足りないものが、この瞬間得られないものだとしても、機を熟すことで自然と得られるものがあります。しかし、この当時は夢中になってしまい冷静さを欠いたことで‘盲目’になってしまっているため、その改善点が見えなくなります。
最初こそ辛いものだとしても、その実。気が熟せば…
いくらつらい仕事だとしても時間と心の成長で、それまで辛かったことでも平気になってしまうのです。
幼いころに両親から言われた‘良薬口に苦し’のあの思いは、仕事に就き大人になっていくうちに、いつしか忘れることでしょう。しかし、心のどこかにとどめておくことで、普段の生活にも生かせることはたくさんあります。
最初は辛く、大変なことだとしても、効率化や時間をかけて心を成長させていくことで、自然とできるようになっていきます。
これが日常で、数多くの人が乗り越えてきた事柄でもあります。その人にできるのなら、自分たちにもできるはずなのですから、やらない手はありませんね。
そう思って考えると、すべての事柄のどこかには‘ヒント’が存在しているように思えてしまうのでした。