普段話 -縦書き・横書きならではの表現。- 2020.07.26
SS作家が考える、書き方向次第で物の見方が変わる。
“横書きならでは、縦書きならではの表現がある。”
今日はそんな話。
普段は横書きで、執筆していますが、書下ろしのため縦書きで執筆中。そこで、いろんなことをしれました。ここでは、その内容をピックアップします。
原稿用紙を表示させ、一行に数文字設定で執筆していくのですが、『、』や『。』の打ち方で、改行したり見え方が全く異なってきます。
また、長文のセリフやキャラクターの環境など、横書きではダラダラと書いてしまいがちになりますが、縦書きになり一定の文字数があることで、見え方が全く変わってきます。
横書きなら、単純な4行周辺で区切った方が読みやすいとか、セリフは一文字下げた方が見やすいとか……
横書きならではの書き方や見せ方がありますが、これをそのまま縦書きに移行しようとすると、不具合が発生します。
横書きなら見やすいこの手段は、縦書きになったとたんに見ずらくなります。横書きでは当たり前で普通なことが、縦書きでは不都合になります。
そして、普段から日本語を使う私たちは、国語や文庫を読む場合に縦書きに触れることになります。
実に洗練された執筆で、きっちり文字が改行され、見ていて心地よく読めます。それは作家や編集さんの努力で校閲されています。
一般のSS作家や私のような作家は、それをすべて自分でやる必要が出てきます。その分苦労が増します。
縦書きには、縦書きならではの表現があり、それは横書きにも流用することができます。
エンタープライズの容姿の説明を、官能的に表現するとこのようになります。
白く大きな軍帽から長く伸びる綺麗な白銀の長い髪と、ふたつの大きな葡萄色の淡い瞳。端正な顔立ちとから視線を下すと、華奢な柔肌の両肩から長い腕は、細く保護欲をそそる。
さらに視線を落とすと、彼女の美しい肢体が目に留まる。女性らしい柔かな胸や細い腰を、白い軍服が包む。唯一黒いブリーツ使いのスカートからは、彼女のやわらかな太腿が見え、すらりと伸びた足へとつながる。
それは、肉感の高いむっちりとした太腿ではなく、必要最小限の女性らしい柔らかさを保つ。軽く触れるのならば、その指を吸いつけて柔らかな感覚を返してくれることだろう。
と、こうなります。
ちょっと、R18調になりましたね。
これに匂いの表現を入れると、よりエッチな深夜向けの内容につながっていきます。日本語ならではの表現として“淫靡”という独特なパワーワードが登場してきます。こんな表現を入れれば、よりエッチな表現になります。
“エンタープライズの、甘美で淫靡な香りが指揮官の鼻をくすぐる”
この一行だけで、どっとエロくなります。
横書きであれば、むっちりやサラサラといった、擬音を入れますが、縦書きでそれを頻繁に使ってしまうと、読書ペースが速くなりすぎてしまいます。
そこを調整するのが、校閲であり作家自身であったりします。横書きで執筆する分には、カタカナを多用しても気になりませんが、縦書きになると途端に気になります。
全面書下ろしで触れることになった縦書き。作家であれば、横書きだけでなく、縦書きに触れることも必要かなと思った、今日この頃です。
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